石ばしる 垂水の上の さ蕨の 萌え出づる春に なりにけるかも 志貴皇子
志貴皇子
采女の 袖吹きかへす 明日香風 京を遠み いたづらに吹く 志貴皇子
近江の海 夕浪千鳥 汝が鳴けば 心もしのに いにしへ念ほゆ
柿本人麻呂
君がため醸みし待酒 安の野にひとりや飲まむ 友無しにして
大伴旅人
筑波嶺の小百合(さゆる)の花の 夜床(ゆとこ)にも かなしけ妹ぞ 昼もかなしけ
那賀郡 上丁 大舎人部千文