高潮でほとんど枯れたつるバラ「ジーザス・クライスト・スーパースター」に新しい芽が立ち、蕾までつけている。
'tis the last rose of summer.
日本語訳されて、女学生愛唱歌「庭の千草」となり、なぜかバラは白菊になってしまった。
その「庭の千草」では、
ああ、白菊、白菊、ひとりおくれて咲きにけり。
となる。私の小さな庭では、白い小菊は終わり、赤だけが残っている。
壁ぎわで、もう30年植えられっぱなしの水仙だ。たいていは忘れられているが、冬のはじめに葉を茂らせると、ずぼらな庭師に思い出してもらえる。慎ましくて、気丈で、ナルシスもかくかとばかりの立ち姿。水仙は群生よりも孤高が良い。
アネモネ。早々と花を咲かせてしまった。茎が伸びるひまもなく、花は下向きに地面に圧しつけられて、可哀そう。切り取ってグラスに生けると、たちまちあでやかに咲き広がった。