庭に花があれば、当然虫たちも住みつく。カマキリなど世代を重ねながら、もう30年来の古馴染みだが、毎年一期一会の忘れがたい珍客もある。
この秋、フジバカマが隆盛をきわめた。この花はとりわけ多くのチョウを愛されたが、そこにアサギマダラをみつけた時は、わが目を疑った。以前、水絵のような深く美しいアサギ色が、深い山の緑を背景にユラユラ舞う優雅な姿を見たときの感動は、今も忘れない。その山のチョウが海辺の庭を訪れるとは。
それから2週間ほどアサギマダラは毎日フジバカマのレストランにやってきた。時には2つ、時には3つ。どこへ渡っていったのだろう。