まおの衛生学
ぼくは誇り高い猫である。にもかかわらず、近頃、人間化しつつあるのではないかと不安だ。

庭を散歩するときは暗い床下にもぐりたいし、茂みの中では転がりたい。「駄目っ」。家の中に戻るときは「脚をふくのよぉ」。

ベランダに出ると、青空の下、思い切りごろごろ転がる。ヒヨドリのおとしものの上でも気にしないーが、「きたない、おフロにしますよ」。

浴室に閉めこまれ、抵抗むなしく、風呂フタの上においつめられ。シャンプだらけになり。何とも面目ない。美しく清潔な猫なんて、人間を楽しませるためのもの。猫としてのプライドや喜びも無視されて、ぼくは怒っている。

左の下の写真をみてほしい。これって、動物愛護法ものじゃないのか。

猫にカツブシじゃなかった、猫に歯磨き。狡猾な人間が、歯磨き粉にぼく好みの味をつけているので、歯をくいしばりながら、ついうっかりペロペロなめる。そのすきに、ブラシでごしごしこすられるという次第。無念だ。

人間に愛されて、猫も長生きするようになった。当然歯もおとろえる。年とっても、カリカリ食べられるようにと、親心の歯磨きだそうだ。うれしくない。

人間は清潔好きすぎて、腹中に共生してきた寄生虫や細菌を追放してしまった。F先生によると、その結果アトピー患者が増えたそうだよ。

まおとママのペア歯磨きコップ