3月22日 ぼくの満9歳の誕生日。里親はケーキで祝福してくれた。ケーキを食べないぼくは、里親の嬉しそうな顔を眺めて憮然とする。この家では、何かといえばケーキを食べる。大学受験にあえなく失敗しても、落選祝いのケーキだからね。これをポジティブな思考と言うべきか、単にお祭り好きのケーキ好きなだけか。
ぼくはカメラを向けられると、そっぽを向く。猫グッズ通販のモデル猫のように憂愁のまなざしでポーズを決めるなど、人間に迎合することは、独立不羈の猫たるぼくにはできない。
里親が朝からカメラを持ってぼくの行くところ、ついてくる。大かた「ぼくの一日」でも撮るつもりらしいが、協力する気などさらさらなーい。
里親が尊敬する岩合光昭さんの猫たちの猫魂あふれるりりしい写真を見せられても、ぼくとしては里親のカメラワークの拙劣を再確認するのみ。カメラワークというより猫に対する里親の心のありかたが問題だ。岩合さんのように、地にはらばい、猫の目線に身をおく謙虚な姿勢がほしいものだ。
昼寝していたら、合成写真にされてしまった…無念。
昼寝していたら、別猫にされてしまった…誰。