まお館長俳句を詠む

冬のあいだに、また太ったらしい。先日満10歳の誕生日を祝ってもらったが、ぼくもとうとう中年晩期、もしかしたら老年早期ということか。運動し、ダイエットに努め、メタボを解消しなければ。

というわけで、暖かくなった日、庭に出て、狩りを試みる。久しぶりなので、腕がなる。

まず、ハエ。目標が小さいと、目にもとまらず、意外に難しい。次は、騒がしいスズメ。ところが電線高くとまって、高見の見物だ。いつだったか、テレビで見たアフリカの猫は何メートルもジャンプして飛び立つ鳥を捕らえた。すごい。ぼくも同族としてとても誇らしかった。だが、アフリカ猫だって、電線まで跳ぶのは無理だろう。

うむむ。可能性があるのは、チョウぐらいか。子猫の頃は、アゲハなど拝み取りして、里親に見せ、とても感心されたが、今はメタボなお腹のせいで跳べるかどうか。

うつつなきつまみ心の胡蝶かな(蕪村)

アリッサムにまとわりついて食事中の赤タテハを見つけた。抜き足して、姿勢を低くし近づく。そっと左手を出す。右手を出す。つまもうとした瞬間、逃げられてしまった。

結局、ぼくは花が咲く庭で寝そべるのがいい。菜の花に群がるミツバチに鼻を刺されないようにして。

春の猫ひもねすのたりのたりかな(まお)