あかり「星夜」
10万年の昔、私の遙かな祖先が生まれ故郷のアフリカを出て、ユーラシア大陸をさまよい、遂にその東端にまで来てしまったとき、そこで生きるしかないと思い定めたとき、後年日本と呼ばれるようになった地域の歴史が始まった。

日本人の椿やススキに寄せる深い愛着は、この遠い日の記憶につながるのだろうか。照葉樹の茂る深い森の縁で暮らすことになった人々が、小さな光を作り出し、周囲の闇と対したとき、人間として思考することを始めたのではないか。

この不格好なあかり「星夜」を作っている間、人間は自分の小さなあかりを生の拠り所にして、闇の持つ深い意味について考えめぐらし、そこから思想も詩も生まれてきたのだという、勝手な思い込みに浸っていた。

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