とんぼ玉の歴史は古い。B.C.5世紀頃エジプトで作られており、日本では古墳時代の遺物がある。色ガラスの玉に別の色ガラスを象眼する精巧なものと、あめ細工のように生地の色ガラスに別の色ガラス糸をあわせて引き延ばして、切り分けただけの「筋玉」がある。この筋玉の技法を借用して陶のとんぼ玉を作った。流れ、うねり、渦巻く模様を眺めていると楽しい。日頃無い知恵をしぼって生きねばならないものにとっては、知恵の予測のつかないランダムな自由がうれしい。