12月だというのに、まだバッタが菜の花を元気よく食い散らし、ナメクジが苗箱をおそう。テレビが伝えるアフリカ東部の映像にはふるえあがった。家畜や野生動物の死屍るいるい。枯れた茶色の大地。すさまじい旱魃で人間の暮らしも危ぶまれている。コーヒーのない一日だって考えられないのに、コーヒーの木も枯死しつつあるらしい。そしてインド北部からチベット高原にかけ、黒いすすの雲がおおう映像には背筋が冷たくなった。世界各地の氷河が溶け出し、それも洪水、旱魃、そして海面上昇をもたらすと。

食品はたいてい生協を通じて買う。この秋、いつも買うりんごがやたら大きい。「ラッキー」と喜んだが、食べてみると、歯ごたえがなく、気の抜けたような味だ。この秋、果物の成熟期間が長くなりすぎ、気が抜けてしまったのは、いつまでも冬にならない暖かさにあるという。

地球の長いスパンにおける自律的な寒暖のリズムにも、人間の干渉が影響していないとはいえないと思う。うまいコーヒーがいつまでも飲めるように、COP15が先進国・後進国それぞれのエゴをつつしみまとまることを願っている。

ラフランスの苗木を植えたが、2、3年後にはラフランスらしい大きさで高貴な香りを放つ実をつけて欲しいものだ。