お花畑図鑑 菜の花


江戸時代に摂津あたりで油の原料としてさかんに作られていた菜の花、菜種。黒褐色の種には40%以上の油を含み、灯油に使われた。古い歌にはでてこない、江戸の明るい春の季語。

これを作ってみたくて種から育てたが、ちょっと違うようだ。江戸時代の菜の花は花が先端にかたまって咲き、葉に毛がなく緑色をしている。私のは確かに花が下から咲いていくなあとちょっと残念。

日本で現在作られているのはセイヨウアブラナで、日本在来の菜の花は島根県の菜種島などごく一部にしか残っていないそうだ。どこがちがうのか、というとセイヨウアブラナにはキャベツ類の血が混ざっているらしい。また切花用の菜の花はこれともちがって、ハクサイの仲間だそうだ。

私の菜の花はハクサイ系だ。でもその黄色はとても暖かくて、春らしい。夏目漱石は、春は眠くなるが、菜の花を遠くにみたとき目が醒めると書いている。

菜の花