お花畑図鑑 コスモス




昨年夏のチョコレート・コスモスはアブラムシに集中的にやられてしなびてしまった。今年は用心して、アブラムシの死に絶えた夏の終わりに苗を買ってきて咲かせた。ちょっとズルだが、おいしそうに咲いたからいいのだ。チョコレート・コスモスは、最近園芸種で普及してきたが、自生地では絶滅寸前ということだ。

最近なんとかコスモスというのが増えている。でも本物のコスモスかどうかわからないものもある。冬に咲き続けてくれるレモン色のウィンター・コスモスは、きりりと可憐であるが、なんかコスモスとは違うような。北アメリカ・メキシコ原産でキク科だが、ビデンスというのが本名らしい。ラテン語のbis(2)とdens(歯)に由来し、果実の歯状の2本のとげに由来する。

コスモスは菊科の一年草。ただしチョコレート・コスモスといわれるコスモス・アトロサンギウスは多年草。属名はギリシア語で「秩序、調和、美しい、装飾」などの意味のKosmosに由来する。メキシコ原産で、ヨーロッパへは18世紀の後半にスペインを経て広まったとされ、最初の種子は、メキシコからスペインのマドリッドの王室植物園の園長で神父のカバニレスのもとへ送られ、学名もダリアの命名者としても知られる同神父がつけたものといわれる。
日本には、明治12年に東京美術学校の講師として赴任したラグーザがイタリアから種子を持ち込んだとされるが、ほかにも諸説があり、幕末には伝来していたという説もある。黄色の花を咲かせるキバナコスモスは大正年間に渡来。