お花畑図鑑 ビオラ

スミレ科。学名Viola tricolor。紫と黄色と白の三色のすみれ。フランスでは花が物思いに沈んでいる人の顔に似ているというので、パンセ(思う)と呼ばれ、英語でパンジーとなった。イギリスでは上の二枚が頭布(フード)でその下に三つの貌がのぞいているとして「僧帽の下の三つの顔」という名で呼ばれたこともあった。

シェークスピアによれば、「キューピットが西方の処女王に向かっていた矢が落ちた西方の小さな花 純白の花が恋の傷に深紅にそまり乙女たちは「恋の三色すみれ」と呼んでいる。汁をしぼり眠るもののまぶたにそそぐと最初にみたものに恋してしまう。」と。花言葉はあなたを思う、あるいは私を思ってくださいなど。

伊藤圭介編著『植物図説雑纂』によると、パンジーは日本に文久2年 (1862) 冬にイギリスから渡来した。下図は、尾張藩家老渡辺又日菴著『新渡花葉図譜』よりパンジー。慶応2年(1866)、江戸から来て、翌年2月開花したもの。横浜への渡来品かと書かれている。

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