まおの闘病記  BACK

ぼくは2007年のカレンダーボーイに選ばれた。4万枚の応募写真から365枚(日めくりなので)選ばれ、ざっと110倍の競争だった。「まおちゃん、すごい。猫のハンカチ王子様よ」。心なしか、母さんたちのぼくを見る目に敬意があるようだ。猫を愛する皆さん。カミンの「猫めくり」の6月29日のぼくをよろしく。


さて、9月になって、どうも体調が悪い。夏バテだろうか。そのうち、トイレにいっても尿が出なくなった。気張っても一滴。それもピンク色。2分もたたず、またトイレに座る。出ないよう。そしてまたしても(2行前に戻る)。

そんなこんなで、母さんたちがぼくのトイレを捜索する。「まおちゃん、大変。血が出てる」。それから大騒ぎが始まった。猫の病気の本やら、インターネットやら調べて、どんどん暗くなる。ぼくはたちまち赤いキャリーバックに押し込まれ、病院行きとなる。病院では管を差し込まれて尿を採られ、なにやら拡大され、ほうら、これが結晶だよと先生。「尿路結石」「膀胱炎」と診断され、診察台の上で、ついでとばかり歯石まで掃除された。先生「性格のよい猫ですね」。しらふで歯石を取らせるネコは珍しいらしい。母さんの内心の声「肝が潰れとるだけなんじゃあ」。ぼく「今はしんどいから堪忍したるけど、次はかんでやる」。

しかし苦難はまだ始まったばかりだった。「まおちゃん、(尿の)PHが高いから、ダイエットしなきゃ」。「カリカリも療養食(ウォルサム)に変えよう」。まずい。「おやつの焼かつおは、赤身をのけて半分だけ」。けち。「お薬もキチンと飲むのよ」。大変だあ。

やさしく膝の上に抱かれ、うっとりしていると、いきなりぐいと口をあけられ、ポンと抗生物質の錠剤を放り込まれ、しっかりと口を締められ数秒(正しい猫の薬の飲ませ方)。裏切りだ。ぼくは苦い薬を必死で口の中で転がす。飲み込むなんてとんでもない。「もう飲んだらしいよ」と解放されるやいなや、2、3歩歩んで、ペッと吐き出し、一目散に逃げる。やばいので隠れていると、母さんが猫なで声で「まおちゃん、花かつおですよ」と言いながら、鰹節を一切れ、鼻先でヒラヒラさせるから、つい出てきて食べ、もう一切れ差し出されて口をあけたところ。卑怯千万にも口の横側から薬を放り込まれ、不覚にも鰹節といっしょに食べちゃった。おいしい。いや、口惜しい。

こういう攻防戦が1週間続き、どうやら尾籠な病気は治った。ところで、それと同時に里親母さんが膀胱炎になった。痛みに耐えかね、ぼくの飲み残した抗生物質を飲んで、人間の病院に行き、医者に叱られたとか。ちょっといい気味と思われる。

ネコに薬を飲ませる方法

ネコに薬を飲ませるのは難しい。まおネコは、ネコの本に書かれているように、喉奥に放りこんでも舌をベルトコンベヤーのようにして前に運び、排出する高等技を見せてくれた。オブラートでくるんだり鰹節でくるんでも、丸呑みしてくれないし、カリカリにまぜるなどというのは当然ダメ。好きなものをちょっと食べさせて、正面じゃなく横から薬を入れるのが、有効でした。里親のお役立ち一言メモでした。

ぼくの奇妙な仲間たち

イタリアの緑ネコ


ステファノ・ジョバノーニのデザインによるCrick。ネコ型フードストッカーです。シッポはスプーン。イタリアらしい太っ腹サイズのカリカリ入れなので、ダイエット中の現在はおやつの焼きかつおが入っています。

ドイツの白ネコ


ドイツのHelios社の昔ながらの魔法瓶。黒白あるうちの白ネコのほうです。ドイツらしく、真面目なポットです。ぼくは猫ジタなんで、使用しません。

化ネコ


前の右側は鶏肋窯製のネコ草入れ。