寝床の考察

猫とは「寝る子」らしい。ほんと、猫ってよく寝る。ぼくの先輩の「眠り猫」など、もう300年も眠ってるのだからね。

ぼくの1日24時間はだいたい4分割されて、寝る、起きてるのサイクルを繰り返す。猫としてはいたって睡眠時間が少ないらしいが、これはぼくがやじ馬、じゃなくって、やじ猫だから。電話のベル、玄関のチャイムがなるたび、飛び起きてかけつける。人間のすることは、猫にとっても面白い。里親の行動を見ていると、ぼくも参加したくなって、おちおち寝ていられない。

それでも、睡眠はぼくの生活の半分以上を占めるのだから、その快適な条件を考察するのはとてもアカデミックな行為である。結論はいたってシンプル。優れた研究は、明快・単純であるべきものなのだ。結論。ぼくが「いい」と判断した時と場所が快適ということ。

ただぼくの快適は、里親の快適とはいかないのが、ちょっと悩ましい。夜明けとともに、ぼくは「お散歩したい」と、いろいろボディランゲージを試みるのだが、それがちょっと過激になることもある。すると、朝寝坊の里親にひっぱたかれて、悲しい。

 寝床の選択もむつかしい。この天地の間、あまねくぼくの寝床のはずだが。。。たまたま玄関の靴箱の戸を開けて、もぐりこんでみたことがある。とてもコンパクトで、ぼくの好みにぴったり。もぐりこんでから、戸を閉める知恵が働かなかったので、里親にひきづりだされてしまった。またやるぞ、必ず。押し入れもいい、みつからなければね。

ぼく専用の青いクッションや赤いベッドも悪くはない。人間たちの羽ぶとんの上もいい。でも、ぼくは自分で寝床を発見していく探求心、そして得られる喜びを決して忘れないのだ。